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美央は言葉を続ける。
美央「あたし、ずっと翔と一緒にいたい。でも……イギリスに行くのは昔からの夢だったし、すごく悩んだの。翔と一緒に向こうで暮らせたらって、そんなことまで考えた。でも翔はもう就職先も決まってるし、あたしの事で翔の夢をあきらめてほしくない。だから別れた方がいいのかなって……」
美央は僕をじっと見つめ話し続ける。
美央「こんなこと言ったら翔はなんて言うのかなって……ずっと考えてた。きっと翔は優しいから『いいよ』って言ってくれる。そしたらあたし達終わりなんだ……そう思った」
美央の声が震えていた。
美央「そこまでわかってるのに……あたし今……こんなこと翔の目を見ながら言えちゃってる……あたしってズルイよね……」
僕は何も言えなかった。美央のブーツを雨ではない雫がポツポツと濡らしていた……。それを見て僕はやっとのことで口を開いた
翔「僕は……美央が幸せになればいいと思う……」
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