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体格のいい男子は、陣平に体育館の中の状況を説明しようとしたが、そこに、やや太めの体格の空手着をきた男子が、陣平達に近付いてきて、話しかける。
「矢島主将!今日の勧誘計画なんですが、」
「あ、こら!」
彼は、太めをねめつけた。
陣平は、ため息をついた。
「あなたが、空手部主将だったんですか。主将にドやされる、なんて言ってましたが、方便だったということですね。」
矢島は、あはははは、と笑い、誤魔化した。
「すまん。最近は、空手なんて流行らないからな。部員が、減ってるんだよ。」
体育館には、空手着姿は、確かに陣平の前の2人しかいない。
矢島は、あわてて説明した。
「今日は勧誘で、いないだけだぞ!
もっといるからな。部員は8人だ。」
陣平は、クスリと笑った。
「わかりましたよ。8人もいるなら、もういいでしょう。」
「いや、野球部なんて、35人もいる。
予算も桁違いだ。」
「それは仕方ないかと。」
「で、キミ、名前、教えてくれてもよくない?」
陣平は、矢島に好感を持ったので、名乗った。嘘はつく、悪びれない、あまりいいことはしてないのだが、独特の大きな雰囲気があるためか、憎めなかった。
「右道陣平、です。」
「空手やらないか?」
「だから、やりません。」
現実的には、やれないに近い。
陣平は、日本にはびこる反日勢力の企みを潰す仕事がある。
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