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「……起きてらしたんですね。体調の方は、どうですか?……ああ、幾分か顔色が良くなっているみたいですね」
良かった、とぼそっと呟いて、蒼のソックリさんは、再び部屋に入ってきた。
「おかゆを作って持ってきたんですが……。食べられそうですか?」
と、私の顔を見て言う。
「……すいません……。お手数お掛けしまして……。お気遣い、ほんま感謝します」
頭を下げてお礼を言うと、暖かな微笑みを返してくれた。
(う……。めっちゃ格好良い…………)
蒼と同じ顔で微笑み返されると、思わず、赤面してしまいそうになる。
ソックリさんは手に持っていた箱膳を畳の上に置いて、先程、座っていた位置に再び座った。
(……箱膳……)
コレクター魂、徹底してるなぁ~、と半ば尊敬の気持ちを抱いていると。
「布団から一人で出られますか?……貴女さえ良ければ、お手伝いしますが……」
と、声をかけられた。
先程のことがあるからだろう。
ソックリさんは、私に事前に手伝った方が良いのか尋ねてきたのだ。
あれだけ、あからさまに拒否られれば、当然だ。
私は申し訳無い気持ちになり、慌てて顔の前で掌を横に振り、「大丈夫ですんで、お気遣いなく!」と、返事をした。
自分がしようと思ってした反応じゃないにせよ、先程の反応は失礼過ぎた。
しかも、自分の意思とは関係なく、あんな反応が出てしまった以上、再び同じ反応を繰り返してしまう恐れもある。
自分のことなのに、分からないのは恐ろしい……。
さっきは声が出ず、お礼も言えなかったので、
「……先程は、ほんま失礼しました。あんな態度、取るつもりや無かったんです……」
と、ソックリさんの方を向いて、正座をして手をつき頭を下げて謝った。
「----!?いえいえ!私が悪いんですよ?断りもなく勝手に貴女の身体に触れたりなんかしたから……。お願いですから頭を上げて下さい」
とソックリさんは慌てた声で言った。
「……ほんまに、そんなこと無いんです!それに……触れたって言っても背中に手を貸してくれはっただけやないですか……」
親切心だった筈なのに嫌がられたような反応をされ、しかも、相手に謝らなくてはいけないなんて……。
ソックリさんが悪い訳じゃ無いので、謝られるのは本当に申し訳無さすぎる……。
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