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蒼の言葉をまとめると、こういうこと、だった。
『……嫌いになったわけじゃないんだ。……ただ……もう一緒には居られない……。ごめん……』
いくら聞いても、これ以上のことは何一つとして言わない。
「……そんなん、急に言われても……」
こんなこと突然言われて、納得出来るわけがない。
その事を伝えると、何故か蒼は涙を流しながら言った。
「……ごめん……」
と――――。
(……なんで?なんで蒼が泣くん?泣きたいのは私の方や……)
思わず蒼を責めてしまうような言葉が出てきそうになるが、喉まで出かかった言葉を呑み込む。
(……落ち着け、落ち着け、私。ここは落ちつかなあかん。蒼を責めたって仕方ないんやから。そんなことよりも――――)
膝の上に置いた手をぐっ!と握り締めた。
そう。
そんなことより、蒼が何故そんな結論に辿り着いたのか、聞かなくては……。
心の中で(落ち着け、落ち着け)と何度も復唱するが、落ち着くどころか、握り締めた手が震えているのが分かる。
何よりも理由が知りたい筈なのに、完全に気が動転してしまっていて上手く話せない。
それに……。
(……理由を知ったとして、私はそれを素直に受け入れられるん?)
自問自答してみるが、……答えは出ない。
(……蒼自身も言わへんのやないやろうか……)
何となく、そんな気がした。
目の前の蒼は俯いて泣いてしまってるし、私は手の震えが止まらない。
こんなにお互いが動揺している時に、話し合っても意味がない気がする。
このまま、ここでこの話をしていても、蒼はひたすら『……ごめん……』と言うだけだし、私は気が動転している分、そんな蒼を責めるような言葉を言ってしまいそうで……恐い。
【今、話し合ってはいけない】
……これが、今、出すことが出来る、私の結論だった。
逃げなのかもしれないが、お互い落ち着く時間も必要だろう。
Bestではないかもしれないが、Betterと思われる方を私は選んだ。
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