ツンちゃんとアダルトビデオのこと

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(;'A`)「えっと、なんだっけ。フラクタル性?」ドクオがいきなり何を言い出したかと思えば、彼の背後にツンちゃんが仁王立ちしているのが見えた。 ( ^ω^)「集合意識じゃなくて?」僕は話を合わせるように返事をした。 ξ#゚⊿゚)ξ ξ゚⊿゚)ξ < ?  その時の大きいツンちゃんはふくれっ面で、コップの中のツンちゃんは不思議そうな顔で彼女を見ていた。同じツンちゃんなのにこうも様子が違うのは、二人が同じ存在なのに意識を共有していない証拠であると一般的には考えられている。  もちろん、ツンちゃんたちの意識に関する本当のところは彼女以外の誰にも分からないのだけれど、他人のことを勝手に決めつけるのは人には大なり小なり持ちうる性質なのだ。これは仕方がないという免罪符的な意味合いではなく、ちょっとばかしの皮肉を込めた事実として。 ξ-⊿-)ξ「ラフカディオ・カロン」  ツンちゃんは歪な垂直線を示すように人差し指を立てて言った。小さな方はコップの中で逆さになって彼女の真似をしている。 ('A`)「まーたスクエア氏の論法かよ」  ドクオは彼女の言動の衒学的な響きに嫌気がさしたのか、やれやれという仕草をする。 ( ^ω^)「というか次元って物性に関わりあるのかお」 ('A`)「知らねえよ。ってかそもそもコイツも俺たちも同じ土台にあるんだから、そこを掘り下げるのは研究としちゃあちと方向性が違うんじゃねえの」と、真面目な様子のドクオ。どうやら彼は時間や空間といったものが嫌いらしい。
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