第1話

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この時、美佐登の心の中で刑務所に1年半行くのか…拘置所も厳しいのに刑務所に入ったらもっと厳しい…参った…と、この時思った…判決は2週間後に行われる、重い足取りで仙台拘置所に戻って来た、2週間はあっと言う間に過ぎて行った、法廷に入ると、又あの憎い検事が睨んでいるように見えた、やがて判決の声がかすかに聞こえて来る…拘置所内の仲間は、1年位に成るから心配するなと、元気づけられて来たけど…裁判官の声が…懲役1年6月…何だ…全然刑がまからない…と、思った時…唯し、3年の執行猶予すると言った…バンザイ…刑務所に行かなくても良い…裟婆に戻れるんだ…と、嬉しさと共に涙がこぼれて来た、頬を流れる涙で手を拭いながら、裁判官に一礼をした…それから拘置所に戻り、荷物をまとめて、拘置所の門を出た…外には母親が目を赤くして、出迎えてくれた…何と親不孝な娘か…とつくずく感じた…この時美佐登25才、春爛漫桜の花が満開に咲き乱れていた…美佐登は母親の運転する車に乗せられて、港町石巻に夢と希望を抱いて走り出した… 【第一章…少女から女へ・終り】 【第二章…拘置所よサラバ・続く】
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