第1話

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【第一章…女子から女へ】 東北の冬は厳しい寒さだ、いくら寒い雪国にも必ず朝は来る、石巻港の夜明けと共に漁船のエンジン音が鳴り響く…岸壁を離れる船を見送る女達、船は沖に向かって大漁旗をひるがえし走り出す…東の空から真っ赤な太陽が水平線から顔を出して来る、真っこと綺麗な光景である、こんなロケーションは港町に住む者でなければ味わう事は出来ない、男鹿半島と日本三景松島のど真ん中に位置する石巻は、宮城県仙台市に次ぐ第2の都市だ、そんな寒い2月に美佐登は産声を上げた、子供の頃は両親は勿論のこと、祖夫母にも大変可愛がられて育って行った…それが良かったのか、悪かったのかは関係無く美佐登は少女に向かって成長して行くのだった…小学校4年生になるとタバコを吸うようになって居た、いたずら半分に吸い出した、タバコも5年生頃になると、タバコが無いと淋しい様な気がするまでになっていた、小学校6年生になると、悪い少年少女の仲間と港街を徘徊し通称アンパンと呼ばれる、トルエンやシンナーを吸う程の悪い少女と呼ばれる様になって行く…
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