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その男の言葉に返答する気力も無かった、男は
「逃げよう!美佐登…」
「オイはどうでも良いよ…頭が痛い…あんたに任せる…」
と、言うか言わない中に車はその場を逃走する、被害者のタクシーの運転手は110番通報をする、パトカーが赤色灯を付けサイレンを鳴らして現場に急行する、その間をぬって追跡を振り切って、彼と美佐登はラブホテルに飛び込んだ、しかしこの男、自分勝手な男で、美佐登を部屋に置き去りにして、一人で逃亡してしまった、その頃事故を起こした通称釜港、石巻工業港の周りはパトカーの赤色灯で海が赤く染まる位の大騒ぎになっていた、17才の美佐登にはどうする事も出来ず、3日間の間そのラブホテルに泊まって居たが、頭が痛い身体が痛い、それよりも顔が異常に痛い、気の強い美佐登も自分の顔面を鏡で見た時、愕然とした、その顔は見るに見られぬ顔に変貌していた…流石の美佐登も自分の顔に恐怖感を覚えた…逃げた男は警察に逮捕され、美佐登も外科病院に搬送された…その時には顔面はもう腐り始めていた、100針以上を縫う大手術をする事になり生死をさまよいながらも何とか見られる顔となったが…
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