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この世界の大海には二つの大陸があり、その北半球に浮かぶ大陸を皆はガリオン・ガレンと呼ぶ。大陸の北端から南端にいたるおよそ総ての国々は、蔓延る戦乱の世を捨て統一の名の下に巨大な連合国家を築き上げた。
その理由を挙げるとするならば、時代がそれを望んだからだとも言えよう。
人類に対する大いなる禍と、あまりにも強大な敵が迫っていたからであり、それに立ち向かうべく一人の王が立ち上がったのだ。
巨大連合国家ア・ガリオン、初の大陸統一王となった若き獅子王こと第64代獅子王ハルバート・シュタインバックその人物こそがそうだと言えた。
そして彼の時代があったればこそ、磐石の国家基盤が完成したものと思われる。
しかしながら刻というものは湯水の如く流れゆくものとはよく言ったもので、この大陸にも再び戦乱の兆候が見え隠れし始めるのだった。
それが現在、初代統一王ハルバートが没すること六百年後の話である。
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