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「――なぁ、お前らに訊いときたいんだけどよ。いきなり叫ばれたり殴られたりはしねぇよな?」
三人の中では背の低い、中央に立つ人物が残る二人にそう尋ねると、二人もこれに順次応える。
「心配ないですよ。此処の人達は純朴な人が多いと有名ですからね。きっと温かい飲みものでも用意してきて、是非とも旅の話を聞かせては貰えまいかと懇願されましょう」
身体の線が細く、それでいて柔らかい膨らみを有するこの人物はおそらく女性なのだろう。小さな唇とそこから発せられる声を聞けば一聴瞭然ではあったが、その腰に下げている獲物は明らかに鞘に収められた剣であった。
女剣士、というやつか?
「それは無責任というものだぞビアンカ。先ずは我々のどちらかが行動すべきであって、へい……もとい、アクセル殿にそのような真似をさせる訳にはいかんだろう。そういう事情ですのでアクセル殿、ここはわたくしダロウズにお任せ願いたい」
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