第1話

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他のだれでもない、俺は、俺自身が大嫌いなのである。 錦織 鋭太郎という人物は一言で表すならば屑だ。屑。クズ。人間の屑。 こいつの屑さ加減は群を抜いている。日本の中でもトップクラスの屑だと、俺は思っている。 ひきこもってろくに外にも出ず、もちろん学校にもいっていない。そのおかげで留年した。 もう十八歳なのに、まだ高校二年生なんて馬鹿げた話だ。 それなのに、錦織鋭太郎という人物は未だに外に出ようとはしない。まったく、屑だ。 だから、俺は俺が嫌いなのだ。 「……いまさら」 部屋に俺の独り言が響く。 嫌に響いたその声は、散らかしっぱなしの部屋に、静かに吸収されていった。 のどかな昼下がり。俺はベットの上でくすぶっている。 昨日、というか、眠りについたのはついさっきか。ゲームをしていて、気がついたら太陽がもうすでに昇ってきていた。 確か、六時くらいには寝たんだったかな。 時計がわりにしている携帯を確認する。時間は十三時。
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