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「そうしたら、可愛は驚いた顔をしたあと、
『それは私じゃなくて姉です』って答えたんだよ。
その言葉を聞いた時、心底嬉しかった。
この子が親父の愛人じゃなくて良かった、本当に良かった、って思った。
そうしたら可愛は、こちらを睨みつけて、すごい剣幕でこう言ったんだ……」
『で、でも、姉はちっとも悪くないんです!
だって祐一さんは独身だって姉に嘘ついていたんだから!
そしてすごく傷ついたんです!
だから姉を……姉を悪く言わないでください!』
「目に涙を浮かべて、拳を震わせながらそう言った可愛に、圧倒された」
「あの可愛ちゃんが……?」
驚きの表情を見せるカズに、「ああ」と頷いた。
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