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新人タレントとしてデビューした僕は、ただ言われるがままに活動をしていた。
デビュー仕立てでテレビ、ラジオの出演。
宣伝活動も大きく、正直この恵まれた環境に自分自身ではどうすればいいのか分からなくなって行った。
僕の名前はユウキ、結城 鷹(ゆうき たか)という芸名でデビューした新人タレントだ。
僕を売り出そうとしているマネージャーの高宮(たかみや)さんは、毎日が忙しそうで僕の方がなんだか申し訳なくなってくる。
高宮さんは、右も左も分からない僕の代わりに頭を下げたり怒られたりで、よく仕事が続くものだと感心してばかりだ。
「鷹さん、鷹さん?」
「はっ、はい!」
「明日のスケジュールですけど、10時から雑誌の撮影、インタビュー。13時から生放送の番組に5分の出演。19時からトーク番組の収録の予定です」
「は、はい。トーク番組って、僕、初めてなんですけど…あの、大丈夫ですかね?」
「あー、分かります、分かります。心配ですよねぇ?でも、ああいうのは司会の方がうまくフォローしてくれますから、問題ありませんよ!」
高宮さんは、そう言って僕の肩を叩いた。
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