第1話 始まり

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   何かが激しく打ちつけられる音、それが森林のざわめきを乗せて聞こえてくる。  音は森林に囲まれたウッドフォーレまで届いた。  ウッドフォーレは森林の中の村だけあって人は少ないそうだ。だが、若者が多く今後の村を背負っていける頼もしい連中ばかりだ。村は長老が治めているがな。  俺の名はアルファ・ガーネット。妹のミルファ・ガーネット、そして、従者のカヤ・フレグランス、キョウ・アカギとこの村に住んでいる。  俺は今、何かを打ちつける音、木剣を俺の体よりちょっと大きい人形に叩きつけていた。  側にいる妹のミルファは長く白い布を持って、俺の特訓が終わるのを待っていた。  (早いとこ切り上げるか)  俺は最後の一打を強くして人形の首を打撃の振動で落とした。  「お疲れ様、兄さん! 今日はどうだったの?」  「いい出来だ。お前がいたからかもしれないが」  「そんな事ないってー! 日々の特訓 の成果よ!」  妹は謙遜しているが実際のところ、妹に感謝しなければならない。妹の作る料理が舌をそそるもので力がつけられる。 さて、戻るか。  「ミルファ、カヤが待っているかもしれん。早く行くぞ」  「分かってるわ、お昼カヤに任せちゃったけど大丈夫ね」  そして、妹と村に戻り自分らの家に入った。  「あら、お帰りなさいませ」  中からカヤが出迎えてくれた。  「ただいまー、カヤ~ごめんね一緒に料理作れなくて」  「いえ、お嬢様はお兄様と一緒におられた方がよろしい上、私と料理は……」  「カヤ、ミルファはカヤと仲がいいのは知ってる。俺の前で遠慮するな」  「分かりました、ありがとうございます」  カヤは礼をして俺達をテーブルまで誘導した。テーブルを見るとそこには色鮮やかな料理が並べられていた。  「わあー! 凄いわ! カヤ私にも今度教えて!」  「ふふ、かしこまりましたわ」  (俺はミルファの料理が好きではあるが……)  とりあえずカヤに何の料理か聞いてみる事にした。  「カヤ、この料理は何だ?」  「はい、こちらの料理はサマンエビのベジトマトピラフにベジトマト、カリブロッコリーベジタコーンのグルベーコンスープで、カラチキンのベジトマトサラダでございますわ」  「あ、そうよねサマンエビいれてるわよね、これって身がしまって美味しいのよね」  こういった食材はどこで仕入れるんだ?  
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