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何かが激しく打ちつけられる音、それが森林のざわめきを乗せて聞こえてくる。
音は森林に囲まれたウッドフォーレまで届いた。
ウッドフォーレは森林の中の村だけあって人は少ないそうだ。だが、若者が多く今後の村を背負っていける頼もしい連中ばかりだ。村は長老が治めているがな。
俺の名はアルファ・ガーネット。妹のミルファ・ガーネット、そして、従者のカヤ・フレグランス、キョウ・アカギとこの村に住んでいる。
俺は今、何かを打ちつける音、木剣を俺の体よりちょっと大きい人形に叩きつけていた。
側にいる妹のミルファは長く白い布を持って、俺の特訓が終わるのを待っていた。
(早いとこ切り上げるか)
俺は最後の一打を強くして人形の首を打撃の振動で落とした。
「お疲れ様、兄さん! 今日はどうだったの?」
「いい出来だ。お前がいたからかもしれないが」
「そんな事ないってー! 日々の特訓
の成果よ!」
妹は謙遜しているが実際のところ、妹に感謝しなければならない。妹の作る料理が舌をそそるもので力がつけられる。 さて、戻るか。
「ミルファ、カヤが待っているかもしれん。早く行くぞ」
「分かってるわ、お昼カヤに任せちゃったけど大丈夫ね」
そして、妹と村に戻り自分らの家に入った。
「あら、お帰りなさいませ」
中からカヤが出迎えてくれた。
「ただいまー、カヤ~ごめんね一緒に料理作れなくて」
「いえ、お嬢様はお兄様と一緒におられた方がよろしい上、私と料理は……」
「カヤ、ミルファはカヤと仲がいいのは知ってる。俺の前で遠慮するな」
「分かりました、ありがとうございます」
カヤは礼をして俺達をテーブルまで誘導した。テーブルを見るとそこには色鮮やかな料理が並べられていた。
「わあー! 凄いわ! カヤ私にも今度教えて!」
「ふふ、かしこまりましたわ」
(俺はミルファの料理が好きではあるが……)
とりあえずカヤに何の料理か聞いてみる事にした。
「カヤ、この料理は何だ?」
「はい、こちらの料理はサマンエビのベジトマトピラフにベジトマト、カリブロッコリーベジタコーンのグルベーコンスープで、カラチキンのベジトマトサラダでございますわ」
「あ、そうよねサマンエビいれてるわよね、これって身がしまって美味しいのよね」
こういった食材はどこで仕入れるんだ?
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