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次の日、目覚めたばかりの俺の視界には胡散臭いほど爽やかな夏樹がいた。
「そろそろ起きろ馬鹿」
っと夏樹がめちゃくちゃヤるせいでいろいろヤバい俺のケツを蹴りやがった悪魔はいつもの真っ黒な格好ではなく清潔感を感じさせる爽やか王子ルックで仁王立ちしていた。
『…コスプレか?』
そういえば、
大学に通っているときはこんな格好してたなーっと少し古い記憶を引っ張り出す。
「寝ぼけてねーでさっさと支度しろ、昼飯食べてから行くって連絡しといたからこれ以上遅いとテメーは飯抜きな」
言われて時計を見ると12時少し過ぎだった。
『だったらもっと早く起こせ』
とりあえず顔を洗いに洗面所に向かった俺の背後から夏樹が煙草に火をつけた音がした。
昨日言っていた通り今日は俺を実家に連れて行くつもりなんだろう。
久しぶりに親の顔が見れるのを少し楽しみに支度を素早くして偽王子の元へ向かった。
「なんか食いたいもんあるか?」
珍しく俺に意見を聞いてくれる夏樹に内心驚きながら俺は一言
『焼き肉』っと答えた。
「匂いがつくだろ…まーいいか」
基本肉食の夏樹もあまり文句がないようだ。
久しぶりの焼き肉に喜び少し緩んでいる顔のまま昨日ぶりの外に出た。
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