祖母の料理:笑

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たまにお祖母ちゃんが料理をつくるんだが下手なんだ。 ある日、俺が部活から帰ってきて風呂入って 祖母「はい、ご飯だよ」 つって、謎の物体を出された。5㎝ほどのデロンデロンのスパゲティがピンク色の汁に浸かっている。そこにセロリ、パセリ、ブロッコリーが刺さっている。そしてそれがグラタンに使う器に入れてあるんだ。 意味が分からない。しかも晩飯それ一品。 兄や父も戸惑い、「これはヤバイ、なんかヤバイ」的な雰囲気をしてたが、食べる前から文句言うのもアレなので一度食べてみてその時考えようと思い、俺が先陣を切って一口食べた。 ピンク色の汁…無味。口当たりがなんかざらざらしてる。 スパゲティ…食べにくい。デロンデロン。 セロリ…苦い。シャキシャキ。 パセリ…苦い。 ブロッコリー…いつもの食感。 …全体的に、苦いデロンデロンしてる残飯なのだ。 しかし何を入れたらこんな汁になるのだろうか、 俺「これってなんなの?」 祖母「………残り物。」 残飯じゃねぇか 自他共に認める残飯じゃねぇか 部活やらなにやらで疲れてお腹空かせてる人になに食わせてんだおいばばあと言いそうになったのをこらえて、じゃあ食うなと言われて機嫌を損ねても仕方ないから、全部食べてから文句言おうと思った。 家族みんなで食卓を囲み、黙々と残飯を口にする異様な光景の中、俺は完食をめざした。 そして、グラタン皿を空にした。 さて、どんな文句言おうかなと思いながら状況を確認してみた。 母…外出中のため不在 父…健闘するも途中でギブアップ 兄…捨ててる。 俺…完食。 祖母…ほぼ手をつけずに「……美味しくない。」とつぶやく。 結果、残飯を完食するような俺の文句など説得力に欠けるのか、適当に流され俺は死んだ。っていうのが18年生きてきて一番面白い話なんだけどどう
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