Chapter2  疑念

2/30
前へ
/30ページ
次へ
次の日の学校。 凝固された重苦しい空気を背負ったみたいに体が重い。 朝の情報番組でも公園で起きた殺人事件が芸能ニュースを差し置いて伝えられていた。 しかも『ゴスロリ殺人事件』という呼称が早くもつけられ、事件をセンセーショナルな扱いにして視聴者の目を向けさせている。 ニュースを見ていると、またゼロのことを思い出してしまった。 身長が近いというだけで、よからぬ想像をしてしまうのは、若い女性、イコール、ゼロという選択肢しかないからだ。 教室に入ると、クラスメイトたちはやはりニュースのことを話題にしていた。 「ニュース見た?」 「今朝知った」
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加