Chapter2  疑念

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おれは打ち解けた会話にするべきか悩む。 そこへ「ねぇ、なに話してるの?」と、ゼロが割って入ってきた。 タイミングが悪い。 野田と菅原は無言で何事もなかったかのように、おれから離れていく。 「私、邪魔しちゃったかな?」 ゼロが申し訳なさそうにおれの顔を覗きこむ。 「全然」 おれは首を横に振った。 男子の友達をつくる千載一遇のチャンスを逃したかもしれないが、優先順位の先頭はゼロなのだから気にする必要はない。 「あのね……」 ゼロは小学校時代のことを話し始めた。 男の子にいじめられていた友達の女の子を助けるために、金属バットを振り回して追い払った武勇伝を面白おかしく話す。
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