第1話

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目覚ましの音で目が覚める 夢が途切れてしまった。 とても不思議な夢だった。 だが、夢は夢だ、ただの妄想にすぎない。 私はベットから起き、いつもの様に支度を整える。 すると向こうの方からドアをノックする音が聞こえた。 私が指で合図をすると一斉に メイド共が入ってくる。 「お嬢様、お着替えはお済みですか?」 気持ち悪いほどに口を揃えて言うもんだから、思わず睨みつけてしまった。 メイド共は私から目を逸らす。 どうやらメイドを怖がらせた様だ。 すると向こうの方から私の嫌いな奴がやってくる。 「おはようさん、今日はいい天気やな林檎ちゃーん!!」 私に向って名前で話す糞関西野郎 私の執事の片山須寿 (かたやま もとひさ) 「相変わらず、私の事を名前で呼んでいるな、執事のくせに。」 私はかなりの毒を吐いたつもりだったが奴はその言葉を諸共せず笑っていた。 「あちゃー、それわすいませんー今度からきーつけますわ。」 どうやら反省したようだ。 「林檎ちゃん」 前言撤回…こいつはいくら言っても駄目な様だ。 「もういい、朝食を済ませる。」 そう言うとメイド共は一斉に 横にずれる。 「あー待ってくださいよ、林檎ちゃん!!」 私は執事を置いて食堂へ急ぐ 食堂へ行くと、嫌な奴らがいる。 「おはよう、林檎」 「おはようございます、お父様」 「おはよう、林檎ちゃん」 「おはようございます、お母様」 私は作り笑顔を浮かべながら毎日 挨拶をする。それが家族にとっての証と信じて。 食事は嫌いだ、お母様やお父様は、挨拶以外は全くもって喋らない。 食卓に揃っても距離感があった。 孤独を感じる事が多々あった。 いつも食卓に揃うわけでも無い。 1人の時もある。 はっきり言って1人の方が気楽でいい。孤独な感じが無い。 そんな気持ちになるから… 作り笑顔を作らなくても、口が悪くても、誰も怒らないから、 「……じょうさま。…お嬢様?」 ハッとなり我に返る。 「もうそろそろ、お時間ですよお嬢様。」 そう言って片山は無邪気に笑う 「そう…もうそんな時間…」 私は作り笑顔を浮かべ振り返る 「いって参ります」 2人とも作り笑顔を浮かべ 「いってらっしゃい」っと答える すべてが偽りでできている。
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