第2章 *仕事の後のビールは格別ですね*

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「あれーそこどうしたんですか?」 女子社員に言われてハッとする。 見えてしまっていたのだ。今朝どうにかして見えないようにしたというのに。 何をとは言えない。このドが付くほど天然な彼女に察してくれとは言えなかった。 彼女はまだ首元を指している。言われるがままその場所を触ってみた。 「あーいや…あー蚊にでも刺されたんだろう…なぁー。ちょっと痒いような…」 その彼女はご丁寧に自分の手鏡を渡してきた。 鏡をのぞいたところで何も変わらない。ただ(こうべ)を垂れるしかない。 「おいおい、勘弁してくれよ…」 彼女には聞こえないくらいの声を出す。 そこへ彼女の指導係の新山明美(ニイヤマ アケミ)がやってきた。 「こーら(タチバナ)!気づいててもそこはプライベートなことなんだから、察しなさい?」 言われた彼女はえ?え?と何が何だか分かっていない。 プライベートていうな、プライベートて!とは口が裂けても言えない。 未だに分かっていない彼女は指導係に助けを求めた。
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