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きっかり15分後に風呂を上がった俺は首にタオルをかけ、頭からは滴が垂れているのも構わずリビングに向かった。
下は部屋着のスウェットを穿いているが、上半身は裸のままだった。一人だったら裸でも構わないが、夕貴が来るとなるとそれば出来ない。男同士であるので問題はないのだが。
「あっち~」
パタパタと手で仰ぎ風を起こさせる。頼りないわずかな風だけが来る。無いよりかはマシだった。
テーブルの上に置いてあったスマホは一定間隔で光っており、スマホを立ち上げた最初の画面にメッセージが入る。
ーーもう間もなく駅着くんで、ちょっとコンビに寄って…
文字数が長いからか最後の方は切れていたがその文字にさえ愛しさが溢れてしまう。
アプリを立ち上げれば夕貴らしい文字が並んでいた。
ーーすぐ向かいますね!
既読表示が付いたであろうすぐのタイミングで返信をする。
「あー腹減ったなー」
どんな料理を持ってきてくれるのだろうか。
ーー今日は和食の気分なんだよな~
と時計を見ながら呟いた。時計の針はもう間もなく夜の9時を差そうとしていた。
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