第3章 *一人暮らしってふと寂しくなるもんよ*

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いきなりでビックリしたのか肩が強張った。その肩に手を這わせ逃げられないようにホールドする。 「っ…ちょっ…隆二さ…ぷはっ」 されるがままになっていた夕貴だったが、なんとか理性を持ち直したのか、俺の手から逃げ出し、深呼吸をすると呆れたような声色を放った。 「んもう!隆二さんどんだけ飲んだんですかっ!!」 夕貴の顔が赤いのは気のせいではないだろう。 「そんな飲んでねーよ」 と言いつつ、キッチンには既に3つの缶が転がっているはずだ。 「本当でしょうね?」 そういうと夕貴の声が遠くなり、キッチンの方で声がする。 「あーちょっと!」 何がちょっとなのかが分からない。俺はだらーんとソファーに体を預けると夕貴の帰りを待つ。 「ほら~伸びてるじゃないですか、空きっ腹にあれだけ飲めばそうなりますよっ!まったくもう…」 口では悪態をついている夕貴だが根は優しい子なのだ。だってほら…。 「ほら、水です。飲んでください」 こういう優しいとこがあるから、好きになったんだよな~。 「おう、ありがとー」 ソファーの背越しに夕貴を仰ぎ見る。ちょうど部屋の明かりと重なり夕貴の顔が暗くなり表情が見えない。手を伸ばし夕貴を触ろうとして逆に手を掴まれた。いきなり掴まれたためか心臓の脈打つ音がうるさい。いや、もしかしたら酒の飲みすぎで心臓がバクバク言っているだけかもしれない。とりあえず今の俺には判断は難しかった。
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