第3章 *一人暮らしってふと寂しくなるもんよ*

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「隆二さん…」 その目で見つめられれば、胸がドクンと鳴る。 夕貴は再度顔を近付けると、唇と唇が離れそうな距離で呟いた。 「初めて隆二さんの口から“好き”って言葉聞いた気がします。僕だって、隆二さんの心優しいとこが好きです」 先程までの格好良いイケメンは、今度は少年のようなあどけない表情で笑いかけてくる。 ーーそんな事言ったっけか? 回転の鈍った頭でその言葉を反芻(はんすう)させる。 とそんな事を考えていたからか、身構えるのが遅くなった。 先程よりも深い深い口付けが落とされた。 「…ん…ちょ…」 繋がった右手に力が籠る。頭の中では赤信号が灯ったが、後頭部を後ろから支えられ身動きが取れなかった。 「ん…あっ…」 どんどん深くなり啄むようにどんどんと甘さが降ってくる。息が段々と苦しくなり頭がボーッとし出した時、名残惜しむかのようにチュッと唇の先が触れるくらいのもので終わりを告げた。 物足りないような表情にでもなっていたのだろうか、 「そんな顔しないでくださいよ、これだけで済まなくなりますって」 オデコをコツンと合わせた夕貴は、そう言い残すとキッチンへと消えていった。
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