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「マルク、さんで合ってるよね?」
敬語をあまり使わないのかぎこちなく話しかけてくる少女。
なんとなく察したリオーナは
「ええ、リオーナ=マルクよ。呼び捨てでいいわ」
と返す。
「ホントに?ありがとう。わたしはアーミィ=セオ=クライス。アーミィって呼んでもらえると嬉しいな。」
と言い、彼女はニコッと笑う。
「分かったわ。よろしく、アーミィ。」
と最後にふんわり微笑むリオーナ。
クラス内の男子数人はその顔に顔を赤らめる。
そうこうしている間にアーミィの番がきた。
「アーミィ=セオ=クライスです。上流貴族だけど気軽に話しかけてくれると嬉しいです。」
と最後に微笑み、好感を得たアーミィ。
リオーナはというと…──
「リオーナ=マルクです。平民ですので、そういうことを気になさらないなら気軽に声をお掛けください。」
と平民にも関わらず貴族のように上品に言葉を発するリオーナ。
入学初日にしてクラスのマドンナ的地位を築き上げたのだった。
生徒たちは戸惑いつつも教室を出ていく。
それに引き換え担任のクロードは未だ夢の中。
呆れたリオーナが担任の机に近づき、…──
ドカンッ
──蹴り上げた。
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