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どこにでもある、普通の街の市場。人々が行き交い、賑わいを見せる── が、今は道の真ん中に並ぶ2人の姿に視線が集中し、騒めきが消える。 「君には今期から連合国立魔法学園に入学してもらう。」 唐突に言い放ったこの男はリューゼン=B・トリクメス。言わずもがな、学園の理事長だ。 「絶対に…」 少女の発した声はすぐ後の歓声に掻き消される。 こっそりと様子を伺っていた人々は娘のように可愛がってきた少女の入学が決まり、喜びの色を濃くする。 ── ─ 「謀ったわね?」 と少女は険しい顔でリューゼンに問う。 「いや、なんのことだか?」 と言葉では否定しているが、顔は愉快そうな笑みを浮かべている。 少女は下を向き諦めたようだが、少し嬉しそうに、小さくため息を吐く。 顔を上げた少女の顔には先ほどの険しさが消え、年相応のあどけない笑みが浮かべられている。 「ありがとう、みんな。絶対に立派な魔法使いになって帰ってくるから。」 と言うとリューゼンの手をさりげなく引き、家の方へ歩いて行った。 残った人々は興奮の熱が収まらず、このニュースはその日中に街を駆け巡った──
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