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〈第一ホール〉 入学式のために生徒600人と新入生の保護者が席につき、静かに舞台上の人物の説明を聞く。 新入生と保護者に向け、学園の指導方針、校則などで重要なものをいくつか上げ、説明している。 飽きてきた生徒は船を漕いでいるようだが、保護者は真剣そのもの。 なんといったって、世界で有数の進学校であり、最も卒業生が少ないと言われる学園だからだ。 卒業生が少ないのは単に留年する生徒が多いのではない。 退学者が後を絶たないのだ。 この学園、通うこと自体が一種のステータスなのだが、一番上のクラスに入る事が出来れば…。 生徒らは毎年その争奪戦を勝ち抜くために死に物狂いで努力し、互いを貶め合う。 連合国立魔法学園は表の高い評価に比べ、中はドロドロとした欲に満ちている。 この事は現在の説明により知る者が多く、保護者の中には複雑な表情を浮かべる者いる。 ── ─
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