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入学式にギリギリ間に合ったリオーナは生徒を見渡しまたもや、ため息を吐く。呆れというよりは諦めに近い表情でもう一度生徒たちを見渡す。 が、先ほどとは違い片眉をピクリ、と動かすと目を瞑る。 これは彼女が魔法、いや魔力を操作する時の癖だ。 現在使っているのは、いわゆる探知魔法。特定の魔力を探し、場所を特定するというものだ。膨大な魔力がいることから使える者は限られているが…。 何かを見つけたのか、目を開き、椅子に深く座り直す。 その表情は先ほどの諦めとはうって変わった期待に満ちたものだ。 彼女は学園の説明が始まると瞼を閉じ、眠り始める。 パチパチ──という拍手の音で目覚めたリオーナは舞台上は見る。 壇上には金髪の男性、学園長が立っていた。 彼は挨拶を終えたのか壇上から去っていく。 その様子をぼーと眺めていたリオーナは司会の次の言葉で我に返る。 「新入生代表、リオーナ=マルクさんの挨拶です。マルクさん、ご登壇ください」 リオーナは右横の来賓席の近くに座るしてやったり顔のリューゼンをキッと睨み付けると、にこやかな笑顔を浮かべ壇上へと歩く。 アドリブで考えた挨拶を済ませ席に戻る。 意外にも挨拶は巧くいったらしく生徒らはしきりにリオーナの方をチラチラと見やる。 リオーナはその視線から逃れるように再び眠りにつこうとするが何者かの魔法により現実へと引き戻される。 壇上を見ると数人の生徒らしき人物らが挨拶をしている。 とはいっても実質話しているのは一人だが…。
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