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〈学園長室〉
「一体なんのつもりだ、…と言いたいところだが、今回は私にも少し非がある。」
悔しそうに言うのは学園長のリューゼン。
「あの、俺たちもあそこまでするつもりはなかったんです。」
と納得がいかない、といった風に喋る生徒会会長のローラン=ネロフス。
「分かっているよ。君たちが仕掛けたのは新入生のみ、そうだろう?」
当然、といった口振りで話すリューゼン。
「はい、俺の力量では話しながらやるのはあれが限界ですから。」
と少々不貞腐れたように答えるローラン。
「あぁ、そうだろう。私も驚いたよ。彼女は生粋の天才だからね。──新入生代表で挨拶していたリオーナ=マルク、覚えているかい?」
懐かしむような口振りで話し出した学園長にローランは記憶を探る。
「確か、茶髪の背の低い女の子、でしたよね?」
「その子だ。彼女を見つけたのは地方の魔法学校の視察でだ。あまりにも優秀だったため引き抜いてきたんだ。」
その言葉にローランは些か疑問が浮かぶ。
「君の思っている通り、彼女は11歳だ。本来なら初等部に居るべき年齢だよ。」
ローランの疑問は地方には学校が初等部までしかないことだ。
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