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エントランスの前、座り込んでいると、声が聞こえてきた。
「ねぇ、俺と付き合わない?」
「っ、え?」
この声、幕内だ。
「木原のこと忘れてなくてもいいから。
俺のこと考えてくれないかな」
「っく、ぅ」
「利用してもいいから。
俺、栞奈ちゃんのこと好きだよ」
急いで声のする方に向かう。
「ふぇ、ん」
「好きだよ」
「辛いんでしょ。俺に甘えていいよ」
映ったのは、山根先輩に抱き締められている幕内の姿。
ふざけんなよ。
そこは、俺の場所だ。
「栞奈っ!!!」
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