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駆け寄って、先輩から奪い返す。
「き、きはらくん……?」
「山根先輩、こいつ俺のなんで」
「ーー・・・参ったな。
やっと番犬がいないと思ったのに」
悪かったな番犬で。
「俺のなんで、もう手出さないでください」
「ゎ」
幕内のーー・・・栞奈の手を引いて俺の家に向かう。
「は、はなして」
泣いてる。
俺のせいで。
「ぅ、ひ、ひどいよ、きはらくん
いつもいつも、私がなんで、どんな気持ちで」
知らねーよ。
なんで言わねーんだよ。
聞かせてくれねーと、わかんねーんだよ。
電車の中で、人目に触れないように覆う。
俺の家に向かうことが分かってるのか。
とぼとぼと、ゆっくりと、泣きじゃくりながらもしっかりと歩く。
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