第一章『まずは友達を作るところから始めよう』

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そんな僕が、この新学期初日のまだ学校に着いていないこの時点で、女の子から声をかけられるなんて、おみくじで一等とるくらいの確率だぞ。 名前呼ばれて振り替えって手をふりかえしたら振り替えしたら別の奴のことで、挙げた手をそのままにどこかやるせない気分になるバカとは、同じ道は歩まん。 なんて考えてる間に、別の『櫻井君』が返事をしている頃だろう。紛らわしい苗字してんじゃねえよ、マジで呪うぞ。 「ちょっと、櫻井君?」 どうせ、余った時間で自己紹介とかやるんだろうな。どうしようか、一歩間違えたらヤバイけどユーモアをアピールした方がいいのだろうか。 宇宙人とか未来人とか異世界人とか募集した方がいいのか? そんな非現実的ないもしない存在募集する前にまず友達募集するわ。普通の人間でいいから。 「完全に無視されてる……よね。この美少女を無視するとは、これは度胸ある行動だわ」
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