第一章『まずは友達を作るところから始めよう』

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「他にも同じクラスだった奴もいるぜ」 その爽やか男は短髪をポリポリと掻きながら、人懐っこい笑顔を僕に向けてくる。 確かによく見れば見たことがあるような顔がちらついている。見覚えはあるものの、名前は一切覚えてないけど。 「今年も一年よろしく頼むぜ」 男は言いながらウインクをしてみせた。男であるこの僕に。女子が見れば一瞬にして惚れてしまいそうな爽やかなウインクを。 なんだこのリア充予備軍。 そして他のグループの所へと行ってしまった。まるで引っ越し後の挨拶回りだな。なにあのコミュ力。 数人の女子は小さくキャーキャーと喚いているし。あーあ、あの男なんか不幸な目に合わないかな。 「さーてそれじゃ始業式あるから講堂に移動しろー」 タイミングよく担任が教室に入ってきた。始業式か、またつまらない校長の話を聞かなければいけないのか。あれ強制だからな、もはや拷問だよ。地獄だよ。スキップ機能とかあればいいのに。
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