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しばらく、じろじろと俺を見ていたウカは、
「ふむ。なるほど、のう……」
やがて、にやりと嫌な笑みを浮かべた。
いったい、どうかしたのだろうか……。
ウカの独り言がとても気になるのだが、それでも、俺はその事について口に出来ないまま、ただ彼女の視線に耐え続けていると、
「レオン」
唐突に、ウカが俺の名前を呼んだ。
「……なに?」
努めて平静を装いつつ、続くウカの言葉を待っていると……。
彼女は、小さく息を吸い込んだ後に、こう言った。
「主、最近胸の事を気にしておるな?」
…………えっ。
「少しずつじゃが、確実に成長する胸元が気になって、胸の下着もキツめの物を……」
「……え、は!? いや、ちょっと…………!」
そこまで聞いた時、俺は再び心臓を鷲掴みにされたような錯覚に陥った。
ごくりと生唾を呑み込んでから、俺は慌てて口を挟む。
「いっ……今、なんで、胸って…………」
しかし、俺の舌は急に回らなくなってしまった。
ウカに核心を突かれたためだ。
「私が観察を始めてから、主は、真っ先に胸を一瞥したな。それから、私が主の胸を見た時の反応じゃが……。主の頬の染まり具合が顕著じゃったぞ?」
「うそ……」
「嘘ではない」
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