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「それって、どういう事?」
ごく真剣に、俺はウカからの言葉を待った。
じっと、湯船からこちらを見据える彼女の目を見つめて、黙って返事を待っていると、
「……とにかく、明日はあまり無茶をするでない。学舎の部屋でおとなしくしておる事じゃ」
なぜか、彼女は気まずそうにお茶を濁した。
「ねぇ、ウカ?」
意味ありげな言葉だけを吐いて、肝心の説明が無いのでは、こちらはますます不安になってしまう。
俺は彼女が呑み込んだ言葉を口にするよう促そうとして、そのための言葉を紡ぐために口を開きかけたが…………。
「レオンさん!」
ぎゅう、と、湯船から上がったアレックスが俺に抱き着いてくるのと共に、両手をそれぞれルキとロキに引っ張られた。
「あ、ちょっ、ちょっと…………!」
慌てて、俺はアレックス達を呼び止めようとするものの、
「レオン。ほら、早く!」
「いや、ちょっと、ロキ……?」
「レオンさんっ。早くしないと湯冷めしますよ?」
それは、まぁ、そうだけど……。
シーマの相棒二人に強引に手を引かれながら、俺の足は強制的に脱衣場へと向けさせられてしまう。
…………そういえば確か、この二人はシーマの言いつけで、風呂を上がったらすぐに服を着るようにとしつけられているのだった。
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