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7
「うっ……」
目を覚ますと、全身が言いようのない気だるさに包まれていた。
…………あれ?
昨日はしっかり寝たはずなのだが……。
これは、どういう事だろうか?
不思議に思いながら、俺はおもむろに上体を起こした。
しかし……。
「…………っ」
なんだ、これは…………。
やけに体が重い。
ズキズキと頭が痛む。
……おまけに、下腹部にシクシクとした疼痛(とうつう)を…………。
「おい、レオン」
その時、ガラリと部屋の襖(ふすま)が開かれた。
直後に、白い狩衣(かりぎぬ)を纏った女の子……の姿をした、狐の魔物、ウカが部屋に上がり込んで来た。
突然現れた闖入者に動揺して、俺はびくりと身を振るわせつつ、
「……なに?」
思わず目を丸くしながら、彼女を見据えた。
……すると目が合った瞬間、なぜか、ウカはじっと固まってしまった。
「どうしたの?」
続けて尋ねると、彼女は何とも微妙な表情になって……。
「レオン」
改めて、俺の名前を呼んだ。
「なに?」
「ところで、主はこれが初めてかの?」
……初めて?
何を言われているのか分からなかった俺は、彼女に詳しい事を尋ねようとして、布団から立ち上がった。
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