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……やはり、体がだるい。
もしかして、俺は何かの病気にでも罹(かか)ってしまったのでは?
などと考えながら、一歩、ウカの方へと歩いた時……。
俺は、身に着けている寝巻きに違和感を覚えた。
何かで濡れてしまっているのか、妙に動きにくい。
……よもや、アレックスでは無く、俺の方がおねしょをしてしまったのだろうか……?
一抹の不安を胸に抱えながら、ふっと、俺は視線を下げると、
「…………」
次の瞬間に、俺は自分の身に着けている寝巻きの下腹部が、血で染まっているのを認めた。
三十分後。
俺はウカの取り計らいで特別に入れてもらえる事になった露天風呂で、体を洗っていた。
……本当に、先ほどは驚いた。
大量の血液が寝巻きに付着しているのを確認した時、何が起きたのかが分からずに、俺は危うく恐慌状態に陥りかけたが……。
それでも、偶然部屋に来たウカのおかげで、なんとか事なきを得た。
「……はぁ」
脱衣場から拝借した洗体用の手ぬぐいを使って、俺は血で汚れてしまった体を洗いがら、小さくため息をついた。
一通り体を洗い終えると、そばに置いてあった桶でお湯を汲み、頭から被った。
バシャ!
大量のお湯が、体についた石鹸(せっけん)の泡を洗い流していく。
「どうじゃ? 少しは落ち着いたか?」
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