短い戦争

3/8
前へ
/8ページ
次へ
「何故、過去に犯した過ちをまた犯そうとするんですか?二五五年前に落とされた原爆のこと忘れた訳じゃないでしょう?」 「国会で決まった事だ。口出しするな」 首相が固いことを言う。 「俺たちには言論の自由がある。それに、あんたらだけの日本ではない」 胸をわしづかむ勢いで迫る。 「だから言ってるだろう。任意だって」 首相が嘲笑する。馬鹿にされてる。ざまーみろ。 「いい加減にしろ!」 二つの声に向かって叫ぶ。作者に向かってそんな口…主人公だからって…まあいいか。 「話し合い派の人間が誰一人被害に合わないって保証出来るのか?責任とれんのか?」 怒りを鎮めるようにして言った。 しかし、首相は動じる訳がない。 鼻で笑うと、立ち上がった。 「もう、決まった事なんでね。明日から訓練を開始する」 それだけ言うと、去っていった。 「クソッ!」 机を思い切り叩く。 「よく考えれば分かる事やってん…私達の声を聞くわけないんや」 少女が呟く。 「だけど…一人の人間の主張を聞き流すような政府だとは思わなかった」 下を向いたまま、言った。 「所詮、その程度の首相だったって事やな…」 こんなときでも、関西弁は忘れない。 「このままじゃ、日本が崩壊する…」 なんとなく静かになる。こっちとしても喋りにくい。 「ぺらぺら喋ってんじゃねぇか!」 わー怒鳴られた。 「ね、どっかの国にお願いせぇへん?日本の戦争止めさせてくださいって」 少女が立ち上がる。 「いや、それこそ…」 少年は渋った。何故なら、金がないからだ。 「余計なお世話だ!」 「えー、同じ愛好会の子に連れてってもらうの?いいなあ」 いいなあっておい、遠慮ってもんはどうした? 「勿論、遊び目的じゃないから。実践合宿っていう名目でやるから」 もう、いくの決まったんな。 「行かなかった場合、あんたも困るだろ」 わーズルい。作者をいじめるな。 「へんっ、いつもの仕返しだよ」 もう、主人公替えよっかな。 「それこそズルい…」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加