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『吹き荒れるファイトの嵐!ライダーサモン・イントーキョー!予選を勝ち抜いた強者が16人!』 実況の声が辺りのスピーカーから響き渡る。ぶっちゃけ五月蝿い。まあ自分がその16人の中に含まれているのだから仕方ない。聞かなければならない。 ライダーサモン。 今じゃ老若男女問わず流行るバトルゲームの名前だ。 人気はあるが、いち子供番組であった特撮ヒーローの主役級、ライダーとその敵の怪人のデータを登録した『ライダージュエル』で、ライダーや怪人を戦わせるゲーム。 今じゃケンカの決着を着けるにも、これである。で、ただ今ここにいる俺 呼道 勇騎(こどう ゆうき)もそのライダーサモンを興じる一人というわけだ。 ーーーーー 『さあ!第1回戦を始めるぜぃ!ここまでなんとパァァァアフェクトゥ!恐るべき快進撃のダークホース、呼道 勇騎ぃ!対っ!!去年の準優勝者ぁ!あらぶる強さのぉっ!霧野ぉ、逸郎!さぁ、始めるぜぃ!Ready, FIGHT!!』 長ったらしい紹介のあと、唐突なゴング代わりのコール。 目の前の霧野が翳したジュエルから現れたのは… 『おーっとコイツァ来ちまったぁ!変幻自在のカメレオンライダー!ベルデだぁ!さぁ!呼道はDoする?』 五月蝿い、少しは静かにしろ。そう心のなかで毒づき、ジュエルを翳す。 赤い光が放たれ、現れたのは 赤いメダルを宿す、虹色の翼。 『コイツァびっくらこいたぜぇ?ななな、なんとぉ!怪人カテゴリの中でもSクラスのジュエルぅ、アンクを出してきやがったぁ!』 俺の相棒、アンクは赤い両の手を火に揺らめかせながら、ベルデに近づいていく。
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