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ランダーの拠点はひとつの都市に必ずひとつはある。
大きく広い都市ならば、ひとつの都市にふたつの拠点があることもある。
この国の首都にあるランダーの総本山、本部を中心に、ランダーの拠点、研究所は広がっている。
各拠点に本部から派遣されたボスがいて、ボスを筆頭に拠点は活動している。
狼と龍一が暮らしている拠点は第二拠点。
つまり、2人が今から報告しに行くボスというのは、ランダー全体のボス、総帥ではなく、拠点のボスのことだ。
狼と龍一は拠点の中に入り、一番上の階にあるボスの部屋の前に立ってドアをノックした。
部屋の中から返事が返ってくる。ボスの声だ。
「御鏡狼、入ります」
「若葉龍一、入ります」
2人は名乗ってからドアを開けて中に入る。
部屋の中心にあるソファーに座っているボスを見つけて、狼と龍一は敬礼した。
「報告します!……」
口下手な狼は黙ったまま、龍一がボスに先の戦闘を報告する。
「ああ、情報網から戦闘のことは知っていた。すでに後片付けに人を送っている。きちんと報告したことは感心だな」
恐れ入ります、と2人は頭を下げる。
誰がどこで戦闘しても、その情報はすぐにボスの元に届く。
だから報告する意味はない、とわざわざ報告しに来ないランダーもいる。
あり得ないとは思うが、情報が嘘だった場合もあるかもしれないから、当事者の報告は必要だ。
だから感心、といったところだ。
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