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そんな事を考えていたら、召し使いのアウラが部屋に入って来た。両脇に畳んだ洗濯物を抱えている。
「クシュル様失礼いたします。まあ、すいません。お勉強中でしたか」
「いや、兄からの手紙を読んでいたんだ」
「それは結構ですね。クシュル様もいずれは国政を担う身。パシュル様のように旅に出るご意志はおありですの?」
「国政は兄がやってくれるさ。僕に出番はないよ」
「まあ、あなた様は政務の荷をパシュル様お一人に背負わせるおつもりですか」
クシュルは何も言い返せなかった。アウラの言ってることがその通りだったからだ。
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