第3話

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落ち着いた途端、僕は、喉に渇きを感じた。今さっき閉めた冷蔵庫を再び開け、コップに、半分以上減っている2リットルペットのお茶を注ぎ、一気に流し込む。 「っはぁ!うまい」  流しにコップを置こうとして、そこにすでにあるコップに気付く。それは、午前中僕がアゲハに用意した食事用コップ。    これが飲み干されてここに置いてあるってことは、午前中、もうちょっと細かく言うと、十時くらいまでアゲハは平気だったということだ。  調べたサイトに書かれていた蝶の食事は一日二回。だから僕は、それに則って、午前は十時、午後は六時というふうに、アゲハの食事時間を決めた。  まぁ、今日アゲハがその通りに食事をしたかはわからないけど。  でも。十時でも十分熱くなってくるとは思うのに、アゲハは大丈夫だったんだろうか。  そういえば。アゲハは、いや、蝶はどれくらい暑さに耐えられるんだろう。  っていうか、あれ?蝶って昆虫、だよな?ということは、変温動物…。  やばい、僕、アゲハを人間と同じように考えてた。  人間とは違うのわかりきってるのに。  しまった!  僕は、すぐさま部屋に戻って、パソコンの電源ボタンを押した。  
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