別れは唐突に

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「別れてほしい」 目の前にいる彼はひどく苦しく泣きそうな顔をしていた。 胸の中にぐるぐるとよく分からないものが疼く。そしてポッカリと穴の空いたような苦しさがあった。 声を出せずにいると彼は話し出す。 「好きな人ができたんだ」 私はあなたの好きな人ではないの? 出せない言葉が、頭のなかでだけ疑問を問う。 「壊れてしまいそうな人なんだ。俺は彼女を守りたい。俺がいないとあの人はきっとだめになる。美弥は強いだろ?だから別れよう」
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