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午前中は平和だった。
メルフィとシルバは店に出ており、コボルト達も各々に与えられた仕事をこなしていた。
俺は昨夜捕まえた女の尋問をしていたが何も話さなかった。
侵入した本当の理由と他にも情報を聞きたかったが早々に諦めて、錬金術で様々な物を造っていた。
売るために必要な体力回復薬、魔力回復薬、毒消し薬などを作り終えた。
これは錬金術というより調合と言ってもいいようなものだ。
その後は装飾品を造るためにイメージを膨らませていた。
錬金術で造る装備品は想像力が必要だ。
剣を造ろうとして曖昧なイメージのまま造れば量販品にも負ける鈍らな剣しかできない。(むしろ剣とはよべないような物ができる)
その為に想像力で切れ味や耐久性などイメージを固めて造る。
ただし切れ味など当然上限は存在する。
例えば『何でも切れる剣』のイメージを固め造ったとしても『何でも』の範囲が曖昧な上に、人間の力に納まらないほどの物は人間には造れないのだ。
神と呼ばれる者には造れるかも知れないが…
閑話休題
イメージが固まってきた時、頭に急にアラートがなる。
【ランク10の人間族がダンジョンに侵入しました】
今まで頭の中で固めていたイメージは霧散した。
低ランクの者なら店に買い物によることも多く害は特にないので、設定をランク9以上が侵入した場合に限り店に入った瞬間にアラートが鳴るように設定していたのだ。
急いで錬金部屋から出て自身の部屋へと戻る。
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