第4話

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教室の中は真っ白な防音用の壁、黒い床とシンプルな作り。 イスと机も何個かあるが一カ所に固められている。 他のスペースにはなにがあるのかと言うと、ピアノだったり、譜面台だったりとさすが音楽科!と言えるようなものがあった。 先輩はイスを譜面台の前に置き、私をそのイスに座らせる。 いったい何が始まるんだろう。 胸がどんどん高まっていくのが分かる。 ヴァイオリンがセットされ、私の知っている旋律がながれる。 ハナミズキだ。 ゆったりとしたテンポの曲。 先輩が弾くと川が流れるかのように自然で、芸術的で、繊細で。 本当にこの人はすごいんだなって思いました。 曲が終わると私は立ち上がり拍手をした。 先輩も演奏者らしく笑顔で礼をする。 「本当にすごいです。 感動しました。」 私が感想を述べると先輩は顔を赤くし「ありがとう」と言った。
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