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最終話
ー2年後。
「それにしても、渚は''よかにせ''捕まえちゃって」
「いえ、そんな…」
烈は照れたように目の前に出されているコーヒーに口をつける。
「ところで、烈くん。ほんとに渚でいいの?」
まーちゃんの口調は明らかに面白がっているのが分かる。
「ちょっと、まーちゃん。どういう意味よ?それ」
「まぁまぁ、ちょっと待って。烈くんに聞いてるんでしょうが」
「もぅっ」
烈がちらりと私に視線を向けたのを感じた。
「はい。渚さんだから結婚したいです。むしろ彼女じゃないと結婚したいなんて思わなかったと思います」
「うわー、甘すぎる」
麻知は本気なのか冗談なのか、おののいたように椅子に背をあずけた。
私はというと、その台詞を隣で聞いていて耳が熱くなるのを感じていた。
烈はつい一時間程前に、結婚の挨拶のため鹿児島に到着した。
忙しいだろうから旅行がてら麻知と東京に行くと提案したけど、そういう挨拶はこっちが行くものだと休みを調整して来てくれた。
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