最終話

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「それで、この子のどこがよかったの?」 「この子は時々イビキかいたりするから」 「ちょっと、おっとりとし過ぎてる面もあるのよ」 麻知の質問と「ちょっと」っと思わずつっこみたくなる余計な情報に丁寧に受け答えをしている烈の姿は、見るからに緊張していてつい笑ってしまいそうになる。 「でも…」 麻知が急に真面目な表情になり姿勢を正した。 「本当に優しい自慢の娘なの。どうぞよろしくお願いします」 深々と頭を下げる麻知に対して、烈も頭を下げ返している。 「はい。絶対幸せにします。一緒に幸せになります」 その言葉を聞いて、安心したようににこりと笑った麻知の顔が急にぼやけて見えた。 「ちょっと、渚。なんで泣くの?」 「だってー」 「嬉しいことなんだから笑いなよ」 「だって…いつもふざけてるまーちゃんがお母さんっぽいこと言うから…」 「いや、こらこら。私はいつでも真面目な大人だっ」 「ぷっ。自分で真面目な大人って…ふふふふ」 「そうそう。そうやって笑って過ごすんだよ?」 「…うん」 その様子に烈は一緒に笑って優しい笑顔で見てくれていた。
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