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血の気の引くような感覚を飲み込み、年甲斐もなく驚いた自分を恥じた。
平静を装い、背を向けて立ち去ろうとする。
「待てよ」
人気のなかった方角からふいに声をかけられ、男が電気ショックを受けたように立ち止まる。
人の声もかき消すようだった羽音が突如止む。
「見ただろ、お前」
若い男の声だ。
男はすぐさま声の聞こえた方へ振り返るが、周りが見えない。光が無い?電灯を布で覆うように、光源が封鎖されている。
どこを見回しても真っ暗だ。
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