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「ああ。他の女・・・探すとかないのか?」
そう言われても、俺の中には紗江しかいない。
他の女と付き合えるなら・・・・・・
紗江以外を好きになれるなら・・・・・・
こんなに苦しくないのは分かっている。
でも、紗江が身近にいるから・・・・・・
好きな女が近くにいるのに諦めるって・・・・・・
無理だ。絶対に無理だ。
諦める為には、嫌いになるしかねえじゃねえか。
俺にそれは出来ない。
だから、ヒロの考え方が出来ねえんだ。
「あれ以上の女って、いるか?」
「いる!」
即答で自信満々で答えるヒロ。
そもそも考え方が気に入らない。
プラス、今のヒロの鼻を膨らませた顔が気に入らなく、大人げなく怒鳴り返した。
「いねぇ!」
思ったより大きな声が出てしまった。
その大きな声で、ヒロも興奮し、負けずと言い返してきた。
「いる!」
「いねぇ!紗江以上は!」
「うるせぇ!それは、お前の事だろ!俺は、紗江より景子の方が好きだからな」
「景子って、お前の彼女は今関係ないだろ!」
「お前が紗江以上の女はいないって言うからだろ!」
「だからって、自分の女を自慢すんなよ!」
「うるせえっ!現実を見ろって言ってんだよ!紗江は和木さんと付き合ってんだぞ!お前がいくら紗江が好きでも無理って分かってんだろ!!奪う勇気とかってあんのか?今も紗江を追いかけなかっただろが!」
この質問で、俺は一気に叩きのめされた。
返す言葉すらなかった。
「・・・」
俺の沈黙で、ヒロは落ち着きを取り戻し、静かに言った。
「奪う勇気もないくせに、いつまで引きずるんだよ!次に進むしかねぇじゃねぇか」
新たな一歩を踏み出させようとしてくれるヒロ。
俺の事を思っての言葉に黙るしかなくなった。
ヒロの言うとおり、俺には奪う勇気がない。
「しょうがねーだろ!・・・あれ以上の女なんて・・・」
「紗江以外考えられねーなら・・・振り向いてもらいたいなら、態度で示せよ・・・その努力が無ぇんだよ」
「態度・・・努力・・・か」
「無愛想なお前には難しいか?」
「いや、想いは二度も伝えた・・・それに・・・」
「なにかありそうだな。話してみろよ」
「・・・あぁ」
さっきの紗江との会話を事細かくヒロに話した
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