イチ

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ゆとside 「ゆうり、寒いっしょ」 「ふふっ、ありがと!りょう」 「お前ら本当仲良いよなー」 なんて、俺は二人がいちゃいちゃしてる横で呑気に飴を舐めながら呟いた。 「ゆとは好きな人いないの?」 「いませーん」 「告られないの?」 「ないでーす」 「…可哀想だな、ゆうり」 「うん、凄く可哀想」 「そんな目で見んな」 きゃっきゃと笑いながら俺の肩を突つく二人を振り払う俺。 「あーあ。可愛い子落ちてないかなー。」 「うわ、おじさんみたい」 「うっせ!」 なんて笑いあって。なんだかんだ言いながら、俺の理想の二人で。それなのに、君たちはいつからあんな風になっていたのだろう。俺の知らない君たちはいつからいたのだろう。
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