イチ

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ずっと怖いりょうのままじゃない。決まって夜は、凄く優しくて。 「ごめんね、痛いでしょ…?」そう言って繋がれた全ての鎖を外し、昼間殴った僕の頬を冷やすんだ。今にも泣き出しそうな声で。 「いいよ、大丈夫だよ…僕」 「ごめん、ごめんね…ゆうり…」 夜は、僕以外誰にも会わないから、落ち着くんだと思う。 りょうただ、束縛が人より少し酷いだけ。それだけだ。僕がりょうを嫌いになる要素なんて一つもないし、なるわけがない。 大好きだから。 「りょう…」 「ん…?」 「大好きだよ…」 「ん…」 ぎゅっと抱きしめられ、ずっときつく絞められていた首がヒリヒリと痛んで、声を出さないように、僕はりょうの胸に顔を押し付けて唇を噛んだ。 りょうの前で、痛いなんて言えるはずがなかった。
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